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嘔吐や下痢、食欲不振があったら「内視鏡検査」を
飼い主さんが「ちょっと心配…」と感じる嘔吐や下痢、食欲不振は、”消化器症状”といい、病気が潜んでいるケースがあります。できる限り早く内視鏡検査を実施することで、病気があるかどうかを判断、早めに対処が可能になります。
「お薬をもらって症状を抑える」というのは一時的に楽にするための対処療法でしかありません。薬を使っても何度も症状が起こる場合、知らず知らずのうちに病気が進行している可能性があるので、少しでも心配な方は一度、内視鏡検査を実施してください。
消化器症状とは?
消化器症状とは、嘔吐、下痢、食欲不振が該当します。また「今まで食べていたフードは食べなくなったけど、缶詰などは食べる。」という様な「既存のフードではなく、より嗜好製の高いフードなら食べる。」というのも食欲不振の一つとして挙げられます。これらの症状だけでも検査を受けるべきですが、もし上記に伴い 「体重減少」が認められた場合、早急に検査する必要があります。
消化器症状の原因
原因として大きく二つに分類されます。
① 慢性炎症
胃、小腸、大腸の粘膜(内側)で慢性的な炎症が生じることで、消化不良や吸収不良が発生します。また「リンパ管拡張症」を伴った場合、栄養蛋白である「アルブミン」が減少し、覆水の貯留や血栓症のリスクが増大します。
②腫瘍
消化管腫瘍は、わんちゃんねこちゃんで発生の多い腫瘍の一つです。腫瘍の種類によりますが、「抗がん剤」が治療適応になるケースや「手術」が必要なケースもあります。
早期に診断、治療を実施することでより長い生存期間を得ることが可能なケースもあります。
内視鏡検査が必要な症例
消化器症状が認められ、一般的な治療(下痢止め、整腸剤)を実施しても症状が改善されない場合、内視鏡検査をご提案します。
また、消化器症状が原因で「アルブミン」が低下したケースは、より迅速な内視鏡検査とその後の治療が必要となります。
内視鏡検査でわかること
内視鏡検査は、画像検査と消化管の内側(粘膜部)の採材が同時に行えます。画像検査として、消化管の内側を観察することが可能であり「消化管内の異常部位」を特定できます。
消化管の内側(粘膜部)の採材することで、病理組織検査が可能となります。病理組織検査により病気の確定診断ができます。病理組織学検査の専門獣医師へ検査依頼を行います。

粘膜の浮腫が認められた(○、矢印)


回腸粘膜の浮腫が認められた。
検査方法
内視鏡検査は、全身麻酔下で実施します。手術と異なり、お腹を開けることも皮膚を切開することもしません。
口もしくは肛門よりカメラを挿入し検査を実施します。体に対する負担も手術と比較し少ないこともメリットです。
また、検査に要する時間は、胃-小腸の検査の場合20-30分大腸の検査の場合、30-45分程です。
その子の状態にもよりますが、日帰りで検査が可能です。日帰りで検査を実施した方は、ご自宅で通常どおりの生活をして頂いて問題ありません。また、全身麻酔後に一時的な食欲不振、活動性の低下などが認められることもありますが一時的な症状であることが多いです。
万が一、検査後に何かご心配なことがありましたらご連絡ください。

先端がクリップ様であり消化管粘膜の採材が可能
異常が見つかった時の治療方法
病理組織検査の結果に基づき、治療方法を選択します。慢性炎症であった場合、ステロイドの内服や免疫抑制剤の内服にて治療を行います。
腫瘍であった場合、抗がん剤の注射もしくは内服による治療または、手術での治療となります。それぞれの治療のメリット、デメリットを充分にご説明した後、治療開始となります。
7 検査/治療の流れ
様々な検査を行った後、内視鏡検査を実施します。
1 まずはお電話よりお問い合わせください。
お電話で検査の日程を調整いたします。
FLOW
検査/治療の流れ
様々な検査を行った後、内視鏡検査を実施します。
内視鏡検査は、全身麻酔下で実施します。
安全な全身麻酔を実施するために、貧血などないか、内臓に異常はないかを検査します。
内視鏡検査を実施する前に「どの消化管に異常があるのか?」を見つける必要があります。
異常な消化管を検索し、必要な内視鏡検査(胃-小腸or大腸or両者)を決定します。
また、超音波検査は、消化管の構造異常(異常な形をしている)の検出は可能ですが、
異常の原因は判断できません。この原因を明らかにする検査が、病理組織検査です。


内視鏡検査結果にて慢性腸炎と診断された。

内視鏡検査結果にて大腸腺癌と診断された。