- 診療時間
-
- 9:00~12:00(最終受付11:30)
- 16:00~18:30(最終受付18:00)
- 休診:水曜、日曜午後・祝祭日午後
今回は、長い間軟便の改善がなく体重減少が認められたアメリカンショートヘアのご紹介です。
アメリカンショートヘア 愛好(ラブ)ちゃん 避妊メス 7歳10ヶ月齢
「便に血が混じる」「軟便が良化しない」「食べムラがある」を主訴に来院されました。
血液検査、レントゲン検査、超音波検査を実施した結果
小腸領域(十二指腸、回腸)の消化管構造の異常が認められました。
本症例に関しては
胃、十二指腸を検査するための「上部内視鏡検査」と大腸、回腸を検査するための「下部内視鏡検査」の
両者が必要であるとこを飼い主様にご説明し、内視鏡検査を実施しました。
内視鏡検査装置: 富士フィルム 電子内視鏡システム Advancia (2024.12月 導入)
内視鏡検査は、全身麻酔後に胃、十二指腸の観察を実施後、組織生検を行い
その後に、大腸内の洗浄を行い、大腸、回腸の観察および生検を実施します。
✴︎十二指腸の観察所見
✴︎回盲部の観察所見(大腸から回腸への移行部)
✴︎回腸の観察所見
各部位の組織生検を実施した結果
病理組織学的検査にて「慢性十二指腸炎、慢性回腸炎」と確定診断されました。
本病態は、炎症を主体とする腸炎で低用量のステロイド剤の内服で治療が可能であり、
また、早期に食欲不振は改善され減少した体重の改善が認められました。
食欲不振、中々治らない嘔吐や体重減少などは、
10歳以上のねこちゃんで、よく認められる症状の一つです。
似たような症状で悩まれているねこちゃんの飼い主様は、決して少なくないと思います。
その際は、当院までご相談下さい。